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「キーボー島アドベンチャー」のプロジェクトリーダーは,堀田龍也先生(現 東北大学大学院 教授,博士(工学))です。キーボードで日本語入力をさせるのは日本だけのことですから,海外にも参考になる研究はありません。そこで,国内の情報教育実践のリーダー格の先生方に協力してもらいました。また,大学でインターフェースを研究している研究者にも助言をもらいました。開発の中心は,学習用ソフトウェアのトップシェアを持つスズキ教育ソフトの開発部です。開発工程では,正式オープンの3ヶ月前から,20名もの若手を中心として学校現場の情報教育実践家とそのクラス・学校の子どもたちに,モニターを依頼しました。そして,このプロジェクトの中で,今の検定の形ができあがったのです。
キーボード入力は,一種の運動技能です。一度できるようになれば,いわゆる「体が覚えている」状態になります。さらに,「キーボードで文字が打てる」ということ自体が,子どもたちにはとても楽しい体験です。なぜなら,練習すれば必ず成果が現れるからです。30もの級によるスモールステップにしたのは,子どもたちが少しずつ,自分の成長を「級の伸び」で確認していかれるようにするためでもあります。
短い時間で繰り返しチャレンジし,自分の伸びを確認できる―――がんばり屋の子どもたちは,つい本気になってしまうことでしょう。
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